木材チップを大量に運ぶチップ運搬車。製紙工場やバイオマス発電所、木材加工工場などで活躍する現代産業を支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。
本記事では、チップ運搬車の種類や特徴、用途、構造、選定方法などをプロが分かりやすく解説します。チップ運搬車の導入を検討している方は必見です。


チップ運搬車とは?

チップ運搬車とはその名の通り、チップを運搬するためのトラックです。このチップとは、主に製紙の原料となる木材チップを指します。
木材チップは、製紙工場だけでなく、近年需要が高まっているバイオマス発電の燃料としても利用されています。これらの施設へ、チップを効率的に運ぶために特化した車両がチップ運搬車です。
チップ運搬車の荷台には、通常、屋根がありません。これは、クレーンなどを使ってチップを上から積み込みやすくするためです。
また、チップをスムーズに排出できるよう、荷台を傾斜させることができるダンプ式の車両も多く使われています。その他にも、荷台内部に搬送機構を持つタイプなど、さまざまな種類が存在します。
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チップ運搬車の種類と特徴

チップ運搬車には、主に4つの種類があります。それぞれメリット・デメリットがあるので、用途に応じて適切な種類を選ぶことが重要です。
ダンプ式チップ運搬車
ダンプ式チップ運搬車は、荷台を傾斜させて積荷の木材チップを排出するタイプの運搬車です。シンプルかつ効率的な排出方法で、多くの現場で活躍しています。状況に応じて適切なタイプのチップ運搬車を選ぶことが、効率的で安全な木材チップ輸送の鍵となります。
メリット
ダンプ式は、荷台を油圧シリンダーで傾けることで、木材チップを素早く排出できます。このため、作業時間の短縮につながり、輸送効率の向上に貢献します。
操作も比較的簡単であるため、ドライバーの負担軽減にもなります。また、様々な種類のチップに対応できるため、汎用性が高いこともメリットです。
デメリット
排出場所の傾斜によっては、チップがうまく排出されない場合があります。傾斜が急すぎると、チップが勢いよく排出され、周囲に飛散するケースも少なくありません。
また、傾斜が緩やかすぎると、チップが荷台に残ってしまう可能性があります。そのため、排出場所の選定には注意が必要です。また、排出時に粉塵が発生しやすいというデメリットもあります。
粉塵の発生は、周辺環境への影響や作業員の健康被害につながる可能性があるため、対策が必要です。さらに、荷台の構造上、他の方式に比べて容積が小さくなる場合があり、一度に運べるチップの量が制限される可能性もあります。
ウォーキングフロア式チップ運搬車
ウォーキングフロア式チップ運搬車は、荷台底面に設置された複数の床板が前後に移動することで、チップを荷台後方へ排出する仕組みです。その安全性と排出場所を選ばない利便性から、近年注目を集めている運搬方法です。
メリット
ウォーキングフロア式チップ運搬車はダンプ式のように荷台を傾ける必要がないため、排出場所の高さ制限を受けにくいというメリットがあります。また、排出時の騒音や粉塵も抑えられます。
可動する床板は、用途に合わせて材質や形状を選ぶことが可能です。木材チップのような軽い素材にはアルミ製のものが一般的ですが、より耐久性を求める場合はスチール製のものもあります。
また、床板の形状もフラットタイプ・山形強化タイプ・プレッシャーシールタイプなどの種類があり、積荷の特性に最適なものを選ぶことで、効率的な運搬が可能です。
デメリット
ウォーキングフロア式は、排出機構が複雑なため、初期費用が高額になる傾向があります。また、床板のメンテナンスも定期的に行う必要があります。
特に床板の摩耗や、駆動部分の油圧系統の点検は欠かせません。しかし、適切なメンテナンスを行うことで、長期にわたり安定した性能を維持することが可能です。
初期投資は高額になりますが、長い目で見れば、その安全性と利便性からコストパフォーマンスに優れた選択肢といえるでしょう。
ベルトコンベア式チップ運搬車
ベルトコンベア式チップ運搬車は、その名の通り荷台にベルトコンベアを備えた特殊な仕様です。木材チップのようなバラ積貨物を効率的に積み込み、荷下ろしすることが可能です。
メリット
ベルトコンベア式は、大量のチップを連続的に、かつ迅速に排出できる点が大きな利点です。排出時間を大幅に短縮できます。
特に、時間制約のある現場や大量のチップを扱う大規模施設での利用に適しています。また、構造が比較的シンプルなため、メンテナンスが容易であるというメリットもあります。
デメリット
ベルトコンベア式は、ベルトコンベアの性質上、大きな異物や重量物を運搬するのには適していません。また、ベルトの摩耗や劣化も避けられないため、定期的なメンテナンスと交換が必要です。
運搬するチップの種類やサイズ、異物の混入状況によっては、ベルトの寿命が短くなることもあります。ベルトコンベア式チップ運搬車は効率的な運搬を可能にする一方、導入コストやメンテナンスの面で考慮すべき点も存在します。
トレーラー式チップ運搬車
トレーラー式チップ運搬車は、トラクターヘッドが牽引する分離可能な荷台を持つタイプです。大量のチップを一度に輸送できるため、長距離輸送や大規模施設での利用に適しています。連結・切り離しが容易なため、効率的な運行計画を立てやすいのが特徴です。
メリット
トレーラーを切り離して積み込みや積み下ろし作業ができるため、トラクターヘッドを別のトレーラーに連結して、輸送効率を高められます。また、一度に大量輸送できるため、燃料コストや人件費を削減可能です。長距離輸送におけるコストパフォーマンスに優れています。
デメリット
トレーラー式は他の方式と比較して、初期導入コストが高くなる傾向があります。また、運転には大型免許が必要となるため、ドライバーの確保も考慮しなければなりません。さらに、トレーラーの連結や切り離しには広いスペースが求められるため、作業場所の確保も重要です。
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チップ運搬車の構造

チップ運搬車は、その役割を効率的に果たすために特殊な構造を備えています。主な構成要素は以下の通りです。
荷台
チップ運搬車は、チップを大量に積載するために、頑丈な構造と大容量を備えています。材質は、耐摩耗性に優れた鋼材が用いられることが一般的です。
また、腐食を防ぐために、内面には特殊なコーティングが施されている場合もあります。荷台の形状は、排出効率を考慮して設計されています。
排出機構
チップを効率的に排出するために、様々な排出機構が搭載されています。ダンプ式では、荷台を傾けてチップを排出する機構が一般的です。
ウォーキングフロア式では、荷台の床がスライドすることで、チップを後方へ押し出す機構が採用されています。ベルトコンベア式では、コンベアベルトでチップを連続的に排出します。
シャーシ
チップ運搬車の骨格となるシャーシは、高強度な鋼材で作られています。走行時の振動や積載時の荷重に耐えるだけでなく、悪路走破性も考慮した設計が求められます。サスペンションやブレーキなどの走行装置も、シャーシに強固に組み込まれています。
これにより、大量のチップを積載した状態でも、安定した走行と安全な輸送が可能です。また、フレームの耐久性も重要であり、長期間にわたる使用に耐えられるように設計されています。
エンジン
エンジンは、大排気量で高トルクなディーゼルエンジンが主流です。大量のチップを積載して走行するため、高い出力と耐久性が求められます。
近年のチップ運搬車では、環境性能に優れたエンジンも採用されており、排出ガスの低減や燃費の向上が図られています。また、安全性能を高めるために、先進の運転支援システムが搭載されている車種も増えています。

チップ運搬車の主な用途は3つ

木材チップはさまざまな産業で利用されており、チップ運搬車はそれらの産業にとって重要な役割を担っています。主な用途として3つが挙げられます。
1.製紙・パルプ工場
製紙・パルプ工場では、木材チップは紙の原料として大量に消費されます。チップ運搬車は、工場まで大量の木材チップを効率的に輸送する役割を担っています。安定供給のため、24時間体制で稼働することも珍しくありません。
港や貯木場から工場へ、または工場から別の工場へと、大量の木材チップを途切れることなく運び続けます。製紙・パルプ産業は、チップ運搬車によって支えられているといっても過言ではありません。
2.バイオマス発電所
バイオマス発電所では、木材チップは燃料として利用され、電気や熱エネルギーを生み出します。チップ運搬車は、発電所へ木材チップを供給する重要な役割を担う車両です。
環境に優しい再生可能エネルギー源として、バイオマス発電は注目されており、チップ運搬車の需要も増加傾向にあります。そのため、安定的なチップ輸送を担うチップ運搬車の重要性はますます高まっています。
3.木材加工工場
木材加工工場では、建築材料や家具の製造過程で木材チップが利用されます。端材や未利用木材をチップ化し、パーティクルボードやMDFなどの木質ボードの原料として活用します。
チップ運搬車は、これらの工場へ木材チップを効率的に輸送し、資源の有効活用に貢しているのです。近年では、木質バイオマスボイラーの燃料としての需要も高まっており、地域熱供給を支える役割も担っています。
チップ運搬車は、森林資源の循環利用を促進し、持続可能な社会の実現に貢献する、重要な役割を担っています。
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チップ運搬車の選定ポイントは4つ

チップ運搬車は、荷物の種類や輸送形態によって適切な車種が異なります。運搬効率を最大化し、コストを削減するためにも、適切なチップ運搬車を選定することが重要です。具体的な選定ポイントは以下の4つです。
1.輸送量
チップ運搬車を選定する際、まず考慮すべきは1日に輸送するチップの量です。輸送量が少ない場合は小型のトラックで十分ですが、大量のチップを輸送する必要がある場合は、大型のトレーラー式チップ運搬車が適しています。
将来的な輸送量の増加も見据えて、余裕のある積載能力を持つ車種を選ぶと良いでしょう。また、チップの含水率によっても積載重量は変動するため、含水率が高いチップを運搬する場合は、過積載にならないよう注意が必要です。
2.輸送距離
チップの輸送距離も、車種選定の重要な要素です。短距離輸送であれば、比較的小回りの利くダンプ式チップ運搬車が便利です。
一方、長距離輸送の場合は、高速道路での走行性能に優れたトレーラー式チップ運搬車が適しています。輸送距離が長くなると燃料費もかさむため、燃費性能の良い車種を選ぶことも重要です。
3.排出場所
チップの排出場所の環境も考慮する必要があります。排出場所が狭い場合は、小回りの利く車種や、排出方向を調整できる排出機構を備えた車種が便利です。
また、排出場所に粉塵対策が必要な場合は、密閉式の排出機構を持つ車種を選ぶと良いでしょう。排出方法も、ダンプ式、ウォーキングフロア式、ベルトコンベア式などがあるため、排出場所の状況に合わせて最適な方式を選定してみてください。
4.予算
チップ運搬車の導入には、車両本体価格だけでなく、維持費や燃料費なども考慮した予算計画が重要です。複数の業者から見積もりを取り、価格交渉を行うことで、予算内で最適な車種を見つけることができるでしょう。
中古車も選択肢に入れることで、初期費用を抑えることが可能です。ただし、中古車の場合は、車両の状態をしっかりと確認し、メンテナンス履歴などを確認することが重要です。必要に応じて専門家による点検を依頼することも検討しましょう。

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チップ運搬車でよくある3つの質問

ここでは、チップ運搬車に関してよくある質問とその回答をまとめました。
質問1. チップ運搬車の運転には特別な免許が必要ですか?
チップ運搬車の運転に必要な免許は、車両の大きさや重量によって異なります。一般的には、車両総重量が7.5トン未満であれば普通免許で運転できますが、それ以上の場合は大型免許が必要になります。
また、トレーラー式の場合は、牽引免許も必要です。車両のサイズや種類によって必要な免許が異なるため、事前に確認しましょう。
質問2.チップ運搬車のメンテナンスで特に注意すべき点はありますか?
チップ運搬車は過酷な環境で使用されることが多いため、定期的なメンテナンスが欠かせません。チップ運搬車のメンテナンス箇所と注意点は次のとおりです。
| 箇所 | 注意点 |
|---|---|
| 荷台 | チップの積み下ろしによる摩耗・損傷に注意。ダンプ式:油圧シリンダー、ウォーキングフロア式:可動床板の摩耗、ベルトコンベア式:ベルトの摩耗・劣化に注意し、定期的に点検・補修・交換 |
| タイヤ | 積載重量大のため摩耗が早い。空気圧チェック、ローテーション、摩耗確認を行い、必要に応じて交換 |
| エンジン | 高出力・高トルクのため、定期的にオイル・フィルターの交換が必要 |
これらの点検に加えて、各部のグリスアップやボルトの緩みチェックなども定期的に行い、車両の安全性を確保することが重要です。
質問3. チップ運搬車の導入費用はどのくらいかかりますか?
チップ運搬車の導入費用は、車両の種類、サイズ、メーカー、新車か中古車かなどによって大きく異なります。例えば、新車の場合、小型のダンプ式チップ運搬車であれば数百万円から、大型のトレーラー式チップ運搬車であれば数千万円かかる場合もあります。
中古車の場合は、車両の状態や年式によって価格が変動しますが、新車よりも費用を抑えることができます。導入費用には、車両本体価格だけでなく、各種税金、保険料、登録費用なども含まれるため、事前にしっかりと確認することが重要です。
また、リースやレンタルという選択肢もありますので、予算や用途に合わせて検討することをおすすめします。

まとめ
まとめ
チップ運搬車は、製紙工場やバイオマス発電所、木材加工工場などで利用されており、種類はダンプ式、ウォーキングフロア式、ベルトコンベア式、トレーラー式などがあります。それぞれにメリット・デメリットがあり、輸送量、輸送距離、排出場所、予算などを考慮して最適な車種を選ぶことが重要です。
なお、トムコでは架装や修理・部品調達まで、お客様のニーズに合わせたサービスを提供しています。
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