高所作業が必要な現場で、安全かつ効率的に作業を進めるには、高所作業車の導入が不可欠です。しかし、種類が多様な高所作業車をどのように選べば良いのか、必要な資格や免許、など、様々な疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、高所作業車の定義から種類、選び方、資格・免許、まで導入検討に必要な情報を網羅的に解説します。最適な高所作業車を選定し、安全な高所作業を実現するための参考になるでしょう。


高所作業車とは?

参考:労働安全衛生法施行令
高所作業車は、地上から高い場所での作業を安全かつ効率的に行うために設計された特殊な車両です。2m以上の高さまで作業者を運ぶことができ、建設現場、設備メンテナンス、清掃など、様々な場面で活躍しています。
労働安全衛生法施行令第10条4項等では、高所作業車は「作業用バスケット(作業床)が2m以上の高さに上昇出来る能力を持ち、昇降装置、走行装置等により構成され、不特定の場所に動力を用いて自走できる機械」と定義されています。

高所作業車の種類

高所作業車は、その用途や特性に応じて様々な種類に分類されます。高所作業車の種類について解説します。
動力による分類(エンジン式、バッテリー式、ハイブリッド式)
高所作業車は動力源によりエンジン式、バッテリー式、ハイブリッド式に分かれます。エンジン式はパワーがあり屋外向きですが、排ガスや騒音の課題があります。
バッテリー式は環境に優しく、屋内や静かな場所での作業に適していますが、駆動時間に限りがあるでしょう。ハイブリッド式は両者の利点を活かし、移動はエンジン、作業はバッテリーと使い分ければ、効率よく快適な作業が可能です。
走行方式による分類 (クローラー式、ホイール式、トラック式)
高所作業車の走行方式はクローラー式、ホイール式、トラック式の3種があります。
クローラー式は不整地や軟弱地盤に強く、ぬかるみや砂地などの屋外作業に最適です。ホイール式は舗装路での移動がスムーズで、小回りが利くため屋内や狭い現場に適します。
トラック式は公道走行が可能で、移動が多い作業や資材運搬に便利ですが、狭い場所では不向きです。現場の状況に応じた選択が重要です。
昇降機構による分類(垂直昇降式、ブーム式(伸縮、屈折、混合)
高所作業車は、昇降機構によってブーム式と垂直昇降式に分けられます。ブーム式は、伸縮ブーム型・屈折ブーム型・混合ブーム型の3種があり、直線的な昇降や障害物回避、複雑な動きが可能です。
垂直昇降式はシザース型やタワー型があり、上下移動に特化しており、構造がコンパクトなため狭い場所での作業に適しています。
それぞれの特徴を理解し、作業環境に最適なタイプを選ぶと、安全性や作業効率の向上につながります。用途や現場条件に応じて、適切な機種を選定しましょう。
作業床の高さによる分類
高所作業車を選ぶ際、作業床の高さは重要な要素です。高さによって作業範囲や用途が異なり、適切な機種選定が求められます。高さによる分類の目安は、低床型(2~10m)が低層階作業や樹木剪定、中床型(10~20m)が中層階作業や看板設置、高床型(20m以上)が高層階作業や橋梁点検などです。
操作資格も高さで異なり、10m以上は「技能講習」、10m未満は「特別教育」の修了が必要です。作業に必要な資格も必ず確認しましょう。
参考:高所作業車運転技能講習

高所作業車の選び方

高所作業車は、作業内容や作業場所の環境によって適切な種類が異なります。効率的かつ安全な作業を行うために、適切な高所作業車を選びましょう。
作業内容に適した種類を選ぶ
高所作業車は、その作業内容によって適切な種類が異なります。効率的かつ安全に作業を行うためには、作業内容を考慮した機種選定が必要です。
ここでは、代表的な作業内容に適した高所作業車の種類をいくつかご紹介します。
| 作業内容 | 適した高所作業車の種類 | 理由 |
| 電線工事・街灯メンテナンス | トラック式 | 公道走行が可能であり、複数の現場を移動する必要があるため |
| 不整地・傾斜地での作業 | クローラ式 | 接地面積が広く、安定した作業が可能 |
| 建物の仕上げ段階・内装工事 | ホイール式 | 床面を傷つけにくい。移動しながらの作業も容易 |
| 高所の壁面作業・塗装 | 伸縮ブーム型 | 高いリーチが必要な作業に最適 |
| 障害物を避けながらの作業 | 屈折ブーム型 | ブームの屈折により、障害物を回避しやすい |
| 狭い場所での高所作業 | 垂直昇降型 | 小型で取り回しが良く、狭い場所での作業に適している |
| 橋の点検・補修 | 橋梁点検作業車 | 橋の構造に特化した設計で、安全な点検作業が可能 |
| トンネル内点検 | トンネル点検車 | トンネル内での作業に特化しており、効率的な点検作業が可能 |
作業内容を事前にしっかりと把握し、適切な高所作業車を選びましょう。
作業場所の環境に適した種類を選ぶ
高所作業車を選ぶ際は、作業場所の環境に合わせた機種選びが不可欠です。まず、屋内か屋外か。屋内作業が中心なら、排気ガスや騒音を出さないバッテリー式が適しています。
一方、屋外では高出力なエンジン式が有利です。両方で使用する可能性があるなら、動力を切り替えられるハイブリッド式も選択肢となります。
次に、路面状況です。平坦な舗装路ならトラック式やホイール式など多様な選択肢がありますが、未舗装路や起伏のある不整地では、安定した走行が可能なクローラー式が最も適しています。
最後に作業スペース。狭い場所では、真上に昇降し小回りの利くシザース式や垂直マスト式が有効です。広いスペースがあり、より高い位置や広範囲での作業が必要な場合は、伸縮ブーム式が能力を発揮します。
これらの要素を総合的に考慮し、作業環境に最適な高所作業車を選びましょう。

高所作業車に必要な資格・免許

高所作業車を操作するには、労働安全衛生法に基づき、必要な資格を取得しなければなりません。資格の種類は作業床の高さによって異なり、それぞれに対応した講習を受講し修了する必要があります。
無資格で操作すると罰則の対象となる場合があるので、注意が必要です。高所作業車に必要な資格・免許は以下の通りです。
| 作業床の高さ | 必要な資格・免許 | 講習名 |
| 10m未満 | 特別教育修了証 | 高所作業車の運転の業務に係る特別教育 |
| 10m以上 | 技能講習修了証 | 高所作業車運転技能講習 |
10m未満の高所作業車を操作する場合は「高所作業車の運転の業務に係る特別教育」を受講する必要があります。この特別教育は、学科と実技から構成され、合計9時間以上の講習を受ける必要があります。
学科では、高所作業車の構造や原動機の仕組み、関連法規などを学びます。実技では、実際に高所作業車を操作し、安全な運転方法を習得します。
10m以上の高所作業車を操作する場合は「高所作業車運転技能講習」を受講する必要があります。技能講習の内容は特別教育よりもさらに専門的で、より高度な知識と技能が求められます。
いずれの講習も、18歳以上であれば誰でも受講できます。業務経験や国籍、自動車運転免許の有無は問いません。

トムコの「特殊車両の早期収益化」サービスとは?

トムコは、特殊車両の販売・架装・整備をワンストップで提供することで、お客様の早期収益化を支援するサービスを提供しています。52年の歴史の中で培ってきた特殊車両ノウハウを活かし、シャーシの購入から製造、メンテナンスまで一貫したサポート体制を整えています。
| サービス内容 | 詳細 |
| 特殊車両の販売 | オークション等からシャーシを直接仕入れ、お客様のニーズに合わせた車両を提供します。 |
| 特殊車両の架装 | タンクやサイドバンパーの取り付けなど、特殊車両に必要な架装を自社工場で行います。長年の経験に基づき、高品質な架装を提供します。 |
| 特殊車両の修理・部品調達 | 約130台の自社車両のメンテナンスで培ったノウハウを活かし、迅速な修理や部品調達を実現します。特殊な部品にも対応可能です。 |
これらのサービスにより、お客様は特殊車両導入にかかる時間とコストを削減し、早期に事業を軌道に乗せることが可能となります。特殊車両に関する様々な課題を抱えているお客様も、ぜひ一度トムコにご相談ください。⇛トムコに相談する

高所作業車のよくある質問3つ

高所作業車に関してよくある質問を3つまとめました。
質問1.高所作業車のリースと購入、どちらが費用対効果が高いですか?
高所作業車の導入において、リースと購入のどちらが費用対効果が高いかは、使用頻度、期間、予算、会社の財務戦略によって異なり、一概には言えません。購入のメリットは、長期的なコスト抑制の可能性、減価償却による節税効果、所有物としての自由な改造・売却です。
一方、高額な初期費用、維持費(メンテナンス、車検、保険料など)、陳腐化や価格下落のリスクがデメリットとなります。リースのメリットは、初期費用の抑制、リース料の全額経費計上による節税効果です。
フルサービスリースなら維持費が含まれる場合が多く、常に最新機種を利用でき、陳腐化リスクも回避できます。デメリットは、長期的に見て購入より割高になる可能性、所有権がないため改造・売却ができないこと、中途解約時の違約金リスクです。
判断のポイントは、使用頻度(多いなら購入、少ないならリース)、期間(長期なら購入、短期ならリース)、初期予算、自社でのメンテナンス体制の有無、財務戦略です。これらを総合的に比較検討し、必要に応じて専門家へ相談の上、自社に最適な方法を選択しましょう。
質問2.高所作業車の操作に慣れるためのトレーニング方法や、おすすめの練習場所などはありますか?
高所作業車の安全操作には適切なトレーニングが不可欠です。作業床10m以上は技能講習の修了が必須、10m未満でも特別教育の受講が推奨されます。これに加え、事業者内OJTで実践的な指導を受け、メーカー研修やシミュレーター活用、反復練習で習熟度を高めましょう。
練習は、安全が確保された広い場所(事業者所有地、レンタルヤード、教習所、許可を得た空き地など)を選びます。練習時は必ずヘルメット・安全帯を着用し、指導者の指示に従い、無理な操作は厳禁です。開始前の機器点検も徹底し、安全確保を最優先してください。
質問3.高所作業車のメンテナンスはどのように行えば良いですか?
高所作業車の安全確保と長寿命化には、適切なメンテナンスが不可欠です。故障や事故リスクを低減し、生産性を維持します。主な点検は2種類です。
まず、作業前の日常点検ではエンジン/バッテリー、油圧系、ブレーキ、タイヤ/クローラー、安全装置、作業床、操作レバーを確認します。次に、労働安全衛生法に基づき、定期的な法定点検を専門業者が実施します(構造部、油圧・電気系、安全装置等)。
取扱説明書に従い、グリスアップやオイル交換も重要です。異常発見時は即使用中止し専門業者へ依頼、点検記録も管理しましょう。日常・法定点検の徹底で安全な作業を実現します。

まとめ
まとめ
高所作業車は、高所での作業を安全かつ効率的に行うための必須機材です。本記事では、高所作業車の定義から種類、選び方、必要な資格・免許、安全な操作方法、法規制までを網羅的に解説しました。高所作業車の導入を検討する際にご活用ください。
なお、トムコでは架装や修理・部品調達まで、お客様のニーズに合わせたサービスを提供しています。
「特殊車両の導入を検討しているが、時間や費用、専門知識などの課題を抱えている」や「スポットの運行や作業が多く、新車導入の費用対効果が見込めない」といったお悩みをお持ちのお客様は、ぜひトムコの「特殊車両の早期収益化」サービスをご検討ください⇛トムコに相談する