ユニック車とは?種類・メリット・デメリットを徹底

ユニック車とは?種類・メリット・デメリットを徹底

建設現場や物流業界で頻繁に見かける「ユニック車」。トラックの荷台にクレーンが搭載された特殊車両として知られていますが、その正確な活用方法をご存知でしょうか?

本記事では、ユニック車の基本構造から種類、メリット・デメリットまで徹底解説します。クレーン付きトラックを導入検討中の方や建設業界に関わる方はお読みください。

ユニック車とは?

ユニック車とは?

参考:古河ユニック

ユニック車は「搭載型トラッククレーン」の通称で、トラックにクレーンを備えた車両です。荷物の運搬と吊り上げ作業を一台で行えるため、建設現場や運搬業務で重宝されています。

伸縮可能なブームで高所や遠方の作業にも対応し、一般道も走行できる機動性の高さが特長です。「ユニック」という呼び名は、古河ユニック製の製品名が広く一般化したもので、他社製の同様車両も同様に呼ばれています。狭い現場でも活躍します。

ユニック車の種類と特徴

ユニック車の種類と特徴

建設現場などで活躍するユニック車は、主に以下のような種類に分けられます。

積載型クレーン搭載車の主要タイプ

ユニック車には主に3つのタイプがあり、それぞれに特徴があります。キャブバック型は運転席と荷台の間にクレーンがあり、最も一般的で汎用性が高く、レッカー作業などにも使われます。

荷台内架装型は荷台内部にクレーンを備え、コンパクトで狭い現場に適しており、小回りの良さが特長です。ハイアウトリガー型は車体をアウトリガーで支えて作業するタイプで、重量物の吊り上げ時に高い安定性を発揮します。

最大吊上げ荷重による分類

ユニック車は最大吊上げ荷重によって分類できます。多くのユニック車は3t未満の吊上げ能力を持っており、主に以下のような区分で整理されています。

▼ユニック車の吊上げ荷重による分類

区分吊上げ荷重の目安主な特徴
2tクラス2.2t~2.63t小型トラックに搭載され、機動性が高い
4tクラス2.63t~2.93t中型トラックに搭載され、バランスが良い
10tクラス2.63t~2.93t大型トラックに搭載されるが、吊上げ荷重は4tクラスと同程度

用途や作業内容に応じて、適切な吊上げ荷重を持つユニック車を選定するのが作業効率と安全性向上につながります。

ブーム段数とリーチ距離の関係性

ユニック車のブームは一般的に2段から5段まであり、段数が多いほどリーチ距離(作業半径)が長くなります。たとえば、3段ブームと5段ブームでは、以下のような差が生じます。

ブーム段数平均的なリーチ距離特徴
2〜3段5〜8m程度コンパクトで取り回しが良い
4〜5段10〜15m程度高所作業や広範囲の現場に対応

ブーム段数が増えるメリットは作業範囲の拡大ですが、その分車両重量が増加し、安定性への配慮が必要になります。また、伸縮部分が多くなるため、各段の接続部に油圧シリンダやワイヤーロープを用いた複雑な機構が必要です。

特殊用途向けユニック車の例

ユニック車は、作業環境や目的に応じて多様なカスタマイズが可能で、特殊な現場でも力を発揮します。たとえば、林業用ユニック車は5〜7段の長いブームを備え、森林内での木材搬出に対応します。

電力工事用では、絶縁処理されたブームを採用し、高圧線付近でも安全に作業が行えるでしょう。住宅密集地などでは、狭小地用のコンパクトユニック車が活躍し、小型ボディで高性能な作業が可能です。

また、重量物運搬特化型はハイアウトリガーや強化フレームを備え、重機や大型部品の搬入出に対応します。こうした特殊仕様のユニック車は、通常の車両では対応が難しい現場で重宝されています。

ユニック車のメリット4つ

ユニック車のメリット4つ

ユニック車は建設現場や物流業界で重宝される理由がいくつかあります。そのメリットを4つご紹介します。

1.機動性と汎用性の高さ

ユニック車は、トラックの機動力とクレーンの作業性能を兼ね備えた多機能車両です。公道を自由に走行できるうえ、狭い現場でも小回りが利くため、さまざまな作業環境に対応します。

建設業の資材搬入や運送業の荷役作業、設備工事や造園業での運搬・設置など幅広い業種で活躍しており、アウトリガーによって安定性を確保しながら、安全に荷物の吊り上げ作業が行えるのも大きな特長です。

2.荷物の積載と吊り上げが一台で完結

ユニック車の最大の魅力は、荷物の運搬から積み下ろしまでを一台で完結できる点にあります。通常はトラックで運搬し、現場ではフォークリフトやクレーン車を別途用意して荷下ろしを行いますが、ユニック車であればそのすべてを1台で対応可能です。

たとえば、鉄骨やコンクリートブロックを建設現場に運び、そのまま搭載されたクレーンで迅速に設置できます。この特性により、クレーン車の手配が不要になり、荷役作業の待機時間が短縮されるほか、人手の負担も減り、安全性の向上にもつながるでしょう。

3.コストパフォーマンスの良さ

ユニック車は導入・運用コストの面でも高いパフォーマンスを発揮します。専用クレーン車に比べて車両価格が抑えられており、たとえば2tクラスの中古ユニック車であれば300〜500万円程度で購入可能です。

トラックとクレーンの機能を一台で備えているため、車両維持費や車庫スペースの節約につながり、作業も1人で完結できるなど人件費の削減にも寄与します。さらに、大型クレーン車と比べて燃費も良く、燃料コストを約30〜40%抑えられます。

運搬と荷役の両方をこなせられると稼働率も高まり、コストパフォーマンスに優れた車両として建設業や資材運搬業で特に重宝されるでしょう。

4.設置スペースの効率性

ユニック車の大きな利点の一つは、作業スペースの効率性です。荷物の運搬と荷役作業を1台でこなせるため、トラックとクレーン専用車を別々に配置する必要がなく、現場のスペースを有効活用できます。

特に住宅密集地や都市部などの狭小地では、その機動性が大きな強みとなり、狭い進入路や限られた作業スペースでも対応可能です。中でも荷台内架装型はさらに小回りが利き、住宅街の工事や山間部の資材搬入、都市部での建築作業など、スペースが限られた現場での活躍が期待できます。

限られた環境下で効率的な作業を行いたい場合、ユニック車は非常に有効な選択肢です。

ユニック車のデメリット4つ

ユニック車のデメリット4つ

ユニック車は便利な一方で、いくつかの制約があります。主なデメリットを4つご紹介します。

1.大型クレーン車と比較した吊上げ能力の限界

ユニック車は利便性が高い反面、大型クレーン車と比較すると吊上げ能力に明確な限界があります。ユニック車の吊上げ荷重は限定的のようです。

・2tトラックのユニック車:2.2t〜2.63t

・4tトラックのユニック車:2.63t〜2.93t

・10tトラックのユニック車:2.63t〜2.93t

注目すべきは、トラックサイズが大きくなっても、吊上げ荷重はほとんど変わらないという点です。特に10tトラックに搭載されるユニック車でも、最大吊上げ荷重は3t未満に抑えられている場合がほとんどでしょう。

これに対し、専用の大型クレーン車では数十トンから数百トンの吊上げが可能です。この差は、ユニック車がトラックの一部としてクレーン機能を持たせる構造上の制約によるものです。

つまり、ユニック車は「荷物を運んで、自分で積み下ろしできる」という利便性を優先した車両でありからと考えておきましょう。

2.安定性の確保が重要

ユニック車は便利な反面、安定性を確保しないと転倒など重大な事故につながるリスクがあります。特にアウトリガーの不十分な設置は、荷重バランスを崩しやすく危険です。軟弱な地盤では地面が沈み込む恐れがあり、敷板を使わないと不安定になります。

また、ブームを長く伸ばした状態での作業や作業半径が広がると、吊り上げ可能な重量が大きく制限されるため、荷重表を無視した作業は非常に危険です。加えて、風速10m/秒以上の強風時にはクレーンがあおられやすく、事故の原因となるため注意が必要です。

3.操作技術習得の難しさ

ユニック車の操作には高い技能が求められ、未経験者にとっては習得のハードルが大きなデメリットとなります。特に多機能な操作レバーの同時操作は難易度が高く、荷物を安定させながら正確に動かすには繊細な操作感覚が必要です。

また、吊り上げる荷物の重量や位置によって車体の安定性が左右されるため、常に荷重バランスを意識しなければなりません。さらに、視点の切り替えや風の影響など環境要因も操作に影響を与えるため、実務での経験と判断力が不可欠です。

車種ごとに操作系統が異なる点も混乱を招きやすく、即戦力として使うには十分な訓練期間が必要です。

4.天候や地形による制約

ユニック車は汎用性の高い作業車両ですが、自然条件による制約が多く、これが大きなデメリットとなる場合があります。強風時には風速10m/sを超えるとクレーン作業が危険となり、吊り荷が揺れて周囲に接触するリスクが高まります。

雨天や降雪時には路面の滑りや視界不良により、アウトリガーの設置や安全確認が困難になるでしょう。また、傾斜地や軟弱地盤では車体の水平確保が難しく、転倒や沈み込みの危険性が増します。

こうした条件下では作業そのものが中止となる可能性もあり、現場の進行や工程管理に影響を与える要因となります。

ユニック車の操作に必要な資格と免許

ユニック車の操作に必要な資格と免許

参考:小型移動式クレーン講習

ユニック車を安全かつ合法的に操作するには、公道走行用とクレーン操作用の両方の資格が必要です。走行には車両総重量に応じた運転免許が求められ、たとえば3.5t未満なら普通免許、11t以上なら大型免許が必要です。

一方クレーン操作では、吊り上げ荷重に応じて「特別教育」「小型移動式クレーン講習」「移動式クレーン運転士免許」のいずれかが必要となります。さらに、玉掛け作業にも別途資格が必要で、1t以上の作業では「玉掛け技能講習」が義務付けられています。

無資格での操作は法令違反となるため、現場での安全教育とあわせて、必要な資格の取得と実務経験の積み重ねが不可欠です。

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ユニック車でよくある質問3つ

ユニック車でよくある質問3つ

質問1.ユニック車のクレーン部分の耐用年数はどれくらいで、メンテナンスはどのように行うべきですか?

ユニック車のクレーン部分の耐用年数は一般に10〜15年程度とされていますが、使用環境や日常的なメンテナンス状況によって大きく変わります。適切な整備を続ければ20年以上使用されるのも珍しくありません。

特に油圧系統のメンテナンスが重要で、油漏れやオイルの劣化は性能低下や故障の原因となります。ワイヤーロープの損傷確認や油圧オイルの定期交換など、日常・月次・年次ごとの点検を確実に行いましょう。

法令でも、吊り上げ荷重0.5トン以上のクレーンは定期自主検査が義務付けられており、安全性と耐用年数の延長には欠かせません。

質問2.ユニック車のレンタル料金はどれくらいかかりますか?

ユニック車のレンタル料金は、車両のサイズや吊上げ能力、レンタル期間によって大きく異なります。一般的には、小型(2〜3トン車)で1日15,000〜25,000円、中型(4〜6トン車)で25,000〜40,000円、大型(8〜10トン車)で40,000〜60,000円程度が相場です。

燃料費は別途かかる場合が多く、長期レンタルでは日割り料金から20〜30%程度割引される場合もあります。また、オペレーター付きの場合は追加で1日15,000〜25,000円ほどの人件費が発生します。

地域や時期によっても変動があるため、複数業者からの見積もりがおすすめです。

質問3.ユニック車の車検・点検はどのような頻度で必要で、一般車両と比べて特別な検査項目はありますか?

ユニック車は一般車両と異なり、車検や点検に特別な要件が設けられています。新車登録後の初回車検は2年ですが、2回目以降は貨物自動車登録なら1年ごと、特殊自動車登録なら2年ごとに実施が必要です。

加えて、クレーン機構やアウトリガーなどの特有の装備についても専用の検査項目があります。これにはワイヤーロープや油圧機器、過負荷防止装置のチェックが含まれ、安全装置も厳しく確認されます。

また、作業前の点検、月例点検、年1回の特定自主検査が法令で義務付けられており、これらは専門の整備業者で行うことが推奨されます。適切な点検と整備を行えば、安全性の向上と車両の長寿命化が期待できます。

まとめ

まとめ

本記事では、ユニック車の基本構造や由来から、その種類、特長、そして操作に必要な資格までを幅広く解説しました。ユニック車を正しく理解し、適切に運用すれば、現場の効率化と安全性の向上に大きく貢献できるでしょう。

なお、トムコでは架装や修理・部品調達まで、お客様のニーズに合わせたサービスを提供しています。「特殊車両の導入を検討しているが、時間や費用、専門知識などの課題を抱えている」や「スポットの運行や作業が多く、新車導入の費用対効果が見込めない」といったお悩みをお持ちのお客様は、ぜひトムコの「特殊車両の早期収益化」サービスをご検討ください⇛トムコに相談する