トラックを仕事で使用する方にとって「Wキャブ」や「ダブルキャブ」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。
本記事では、Wキャブ(ダブルキャブ)の基本的な特徴からメリット・デメリットから業種別の選び方まで、プロフェッショナルな視点で解説します。これからWキャブの導入を検討している方やすでに使用している方は、本記事をお読みください。


Wキャブ・ダブルキャブとは?

トラック業界でよく耳にするWキャブ・ダブルキャブとは、後部座席が設置された4ドアタイプのトラックを指します。通常の2ドアタイプ(シングルキャブ)と異なり、運転席の後ろにも座席が配置されているのが特徴です。
ダブルキャブの主な特徴は以下の通りです。
・乗車定員:5~7名まで乗車可能
・ドア数:4ドア構造
・座席配置:前列と後列の2列シート
ダブルキャブは主に小型トラックや軽トラックに採用されており、大型トラックではあまり見られません。これは、多くの作業員と荷物を同時に運搬するという目的に最適化されているためです。
多くのトラックメーカーでは「標準ダブルキャブ」と「ワイドダブルキャブ」の2種類をラインナップしており、2WDだけでなく4WDモデルも用意されています。ただし、荷台スペースはシングルキャブと比較して約1,000mm短くなる点に注意が必要です。

Wキャブ・ダブルキャブの実用的4つのメリット

Wキャブ・ダブルキャブは現場作業において多くの実用的なメリットを提供します。実務者が実感している4つの主要メリットを詳しく解説します。
1.作業員輸送の効率化とコスト削減効果
Wキャブ(ダブルキャブ)最大の魅力は、1台で最大6名程度の作業員を輸送できる点です。通常のシングルキャブトラックでは運転手と助手席の2名しか乗車できないため、大人数での現場移動には複数台の車両が必要でした。
しかしWキャブなら1台で済むため、車両維持費や燃料費を大幅に削減できます。建設現場や工事現場など、チームでの移動が頻繁に発生する業種ほど、このコスト削減効果は顕著に表れるでしょう。
2.天候に左右されない移動と作業環境
Wキャブ・ダブルキャブの後部座席スペースは、悪天候時の貴重な避難場所となります。突然の雨や雪、強風などの気象条件下でも、作業員は車内で待機できるため、健康管理と安全確保に大きく貢献します。
特に屋外作業が中心の造園業や建設業では、天候急変時の一時待機場所として重宝されます。また後部座席は簡易的な作業スペースとしても活用可能で、図面確認や打ち合わせ、小型部品の組み立てなど、天候に左右されない作業環境を提供します。
3.工具・備品の車内保管による盗難防止
Wキャブ・ダブルキャブの後部座席エリアは、高額な工具や精密機器の保管場所として優れた安全性を提供します。荷台に置けば盗難リスクが高まる電動工具、測量機器、小型発電機などの貴重品を、施錠可能な車内に保管できるため、現場での盗難被害を減少させる可能性があります。
また雨や直射日光による工具の劣化防止効果も見逃せません。精密機器は湿気や温度変化に弱いため、車内保管により機器寿命を延ばし、メンテナンスコストの削減にもつながります。
4.現場での実務的価値と作業効率向上
Wキャブ・ダブルキャブは現場での実務作業を多面的に効率化します。まず移動中の車内ミーティングが可能になり、現場到着前の最終確認や役割分担を行えるため、作業開始までの準備時間が短縮されます。
また複数現場を巡回する業務形態では、移動時間を有効活用した報告書作成や次現場の準備が可能となり、1日あたりの対応件数を増やせるでしょう。さらに昼食や休憩時の車内利用により、外食コストの削減や天候に左右されない休憩環境の確保が可能です。

Wキャブ・ダブルキャブの3つのデメリットと対策法

Wキャブ・ダブルキャブにはさまざまなメリットがある一方で、いくつかの課題も存在します。ここでは実務経験から導き出された主要な3つのデメリットと、それらを効果的に克服するための対策法を解説します。
1.荷台スペース減少への対応策
Wキャブ・ダブルキャブのデメリットは、乗車スペース拡大に伴う荷台長の減少です。標準キャブと比較して約50〜70cm短くなるため、長尺資材の運搬に制約が生じます。
この問題への効果的な対策として、ルーフキャリアやサイドラックの増設が挙げられます。特に建設現場では折りたたみ式のゲート付き荷台や伸縮式キャリアを導入すれば、パイプや木材などの長尺物も安全に輸送できます。
また、荷台の収納効率を高めるためのカスタマイズボックスや、使用頻度の高い工具類を乗車スペースの床下収納に移行させる工夫も有効です。
2.燃費・維持費の実態と節約テクニック
Wキャブは通常キャブと比較して100〜150kg重量が増加するため、燃費が5〜10%程度悪化する傾向があります。特に市街地走行では顕著で、年間燃料コストが数万円上昇する場合も珍しくありません。
この対策として、まず適切なタイヤ空気圧の維持が重要です。推奨値より10%低下すると燃費が約3%悪化するため、週1回の点検を習慣化しましょう。
3.駐車場所の制限と解決アプローチ
Wキャブは全長が通常の軽トラックより10〜20cm長いケースが多く、標準的な駐車スペースに収まりにくい問題があります。特に都市部の現場や商業施設での作業時には深刻な課題となります。
この解決策として、事前の駐車場所調査が不可欠です。作業前日までに現場周辺の駐車可能エリアをリサーチし、必要に応じて管理者への駐車許可申請を行いましょう。
コインパーキングを利用する場合は、大型車対応の施設を事前に把握しておきましょう。また、社内で複数車両を保有している場合、Wキャブと標準キャブを状況に応じて使い分ける運用体制も効果的です。

業種別・用途別Wキャブの選び方

Wキャブ・ダブルキャブは業種によって求められる機能や性能が異なります。主要業種別の選定ポイントを解説します。
建設業向け最適モデル
建設業では頑丈なフレームと高い積載量を持つ3トン以上のWキャブ・ダブルキャブが適しています。現場監督と作業員の同時移動が可能で、工具や資材も一度に運べるため、現場間の移動効率が向上します。
特に4WD車は未舗装路や悪天候でも安定した走行が可能で、クレーン付きモデルは重量物の積み下ろしに威力を発揮するでしょう。
造園・林業に適した車両構成
造園・林業では機動性と積載性のバランスが取れた2トンクラスのWキャブが人気です。後部座席に作業員を乗せながら、荷台には植木や剪定道具、チェーンソーなどの専門機材を積載できます。
泥よけや防水マットなどの装備も重要で、オフロード性能を重視した選択が現場効率を高めます。
設備工事・メンテナンス業での活用法
設備工事やメンテナンス業では、多様な工具や部品を整理して収納できる棚やボックスを装備したWキャブが効果的です。技術者と助手が同乗でき、急な追加作業にも即対応可能です。
コンパクトな1〜2トンクラスは市街地での駐車や狭小地での作業に適しており、内装に電源を確保すれば現場での工具充電や事務作業も可能になります。

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wキャブとダブルキャブでよくある質問3つ

Wキャブ・ダブルキャブについて理解を深めるため、よく寄せられる3つの疑問にお答えします。
質問1.Wキャブ・ダブルキャブとシングルキャブの価格差はどれくらいですか?
Wキャブ・ダブルキャブとシングルキャブの価格差は、一般的にメーカーや車種によって異なりますが、およそ30万円~80万円程度です。小型トラックでは30万円前後、中型トラックになると50万円以上の差が生じる場合が多いです。
この価格差は、追加の座席スペース、ドア、窓、内装材、安全装備などの製造コストに起因しています。ただし、中古車市場では状態や年式によって価格差が縮まるでしょう。
質問2.Wキャブ・ダブルキャブのキャビン部分の改造は可能ですか?
参考:道路運送車両法
Wキャブ・ダブルキャブのキャビン部分の改造は可能ですが、いくつかの重要な制約があります。まず、構造変更を伴う大規模な改造は、道路運送車両法に基づく「構造等変更検査」が必要となり、安全基準を満たす必要があります。
一般的に行われる改造としては、後部座席の収納ボックス化、作業用機材の収納スペース確保、簡易作業台の設置などがあります。ただし、フレームやボディ強度に関わる部分、窓やドアなどの安全装置に影響する改造は専門業者への依頼が必須です。
質問3.Wキャブ・ダブルキャブの車両寿命はシングルキャブと比べてどうですか?
Wキャブ・ダブルキャブの車両寿命は、基本的にシングルキャブと大きな差はありません。エンジンやトランスミッションなど主要機械部品は同一のものが使用されているためです。
ただし、実務上の違いとして、Wキャブは複数人での使用頻度が高いため、ドアの開閉回数増加や内装の摩耗が早まる傾向があります。また、キャビン部分が大きいことによる重量増加は、エンジンや足回りへの負担がわずかに大きくなります。
メンテナンス面では、後部座席周りの内装部品や電装品など、シングルキャブにはない部分の点検・修理が追加で必要になる場合があります。しかし、定期的なメンテナンスを適切に行えば、10年以上、走行距離20万km以上の使用も可能です。

まとめ
まとめ
Wキャブ・ダブルキャブは、通常の運転席に加えて後部座席を備えた拡張型キャビン構造のトラックとして、建設業、造園業、設備工事業など多くの現場で活躍しています。本記事では、その基本的な特徴から実用的なメリット・デメリットまで詳しく解説しました。
Wキャブ・ダブルキャブの導入を検討している事業者の方々は、実用的なメリット・デメリットを参考に作業効率の向上とコストの最適化を実現してください。
なお、トムコでは架装や修理・部品調達まで、お客様のニーズに合わせたサービスを提供しています。
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